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  • 間違った情報で日本のエネルギーの未来を決めるのか? =「エネルギー・環境会議」選択肢への疑問 — 誤った推定、経済的悪影響への懸念など試算は問題だらけ : Global Energy Policy Research
    平成22年には165まで下げる となっていた ところが排出量は増え続けた 平成20年にこの計画は改定され 平成17年の排出量が239であるところ 209程度まで下げる と上方修正された だがまたしても排出量は予想通りに減らず 平成22年の実績値は 結局 217となった このときは幸か不幸か リーマンショックによる減少 これは平成17年に計画していた目標である165を大きく上回った 図3 京都議定書目標達成計画と実際のCO2排出量 業務部門 家庭部門 業務部門ともに 今回の シナリオ と同様に 事前に 積み上げ試算 が実施されていた しかし 現実にはこの通りに行かず 排出量目標はたびたび上方修正され 最終的には当初の目標を大幅に上回ることとなった 注3 今回もこの京都議定書目標達成計画と本質的に同じ作業を繰り返しているだけだから 同様の失敗をする と考えることはごく自然であろう 京都議定書目標達成計画のときもさまざまな政策が打たれたが その努力にもかかわらず やはり需要は増えた 経済が成長する限り エネルギー需要も電力需要も増え続ける そのトレンドを逆転させることは極めて難しい 今回の予想も またもや 外れる可能性が大きいのだ 注3 ここで挙げた数値は以下の政府資料による 本稿末付録を参照 京都議定書目標達成計画 平成17年 2005年 4月28日策定 内閣府p14 京都議定書目標達成計画 平成20年 2008年 3月28日全部改定 内閣府p13 京都議定書目標達成計画の進捗状況 平成23年 2011年 12月20日 内閣府p1 3 経済影響は もっと 大きいはず 今回の選択肢については 数値モデル試算によって その経済的費用が試算されている 国際競争力の低下を取り入れた唯一の試算を行ったRITE 地球環境産業技術研究機構 によれば GDPの損失は26 6兆円 46 2兆円となっている これは 選択肢 が想定している平均1 の経済成長のもとでは 現在の500兆円のGDPが今後20年間で100兆円しか伸びないことを考えると 大変な重荷となる しかしながら この数字は 二重の意味で大変な過小評価になっている 第1に 上記のような 実現可能性の極めて乏しい省エネ 節電が コストゼロ で実現すると仮定しており そこからの追加的な費用しか計算していない このコストゼロの省エネ 節電という 前提 と称するものが崩れるならば 経済はマイナス成長する可能性もある このことは 今回のモデル計算では考慮されていない これは RITE側も明白に説明している 注4 第2に この経済影響は 政府が理想的な方法で政策を実施した場合の数字である ということである モデル試算というのは 政府の政策についても 市場の反応についても 一定の合理的な行動を想定している とくに政府の政策についてはそうである ところで今回の政策のリストを見ると 省エネルギーにしろ 再生可能エネルギーにしろ かなりの政府の介入によって実現するとしている では これらの介入は モデル試算で記述されるような合理的なものになる見込みはどのぐらいあるのか これまでの日本の温暖化対策を見てみるとよい 今の 日本の温暖化対策予算は 政府自治体合わせて年間3兆円 に上る しかし この使途には林業の補助や公共交通機関の維持などが含まれていて CO2削減に効率的に結びついているようには見えない 年間3兆円で いったいどれだけのCO2が減っているのだろうか また バイオマスニッポン計画では 7年間で6 5兆円が費やされた が総務省の行政評価では 成果ゼロ の烙印を押された 注5 これは 個人のモラルの問題ではなく 政策や制度の問題である 個々の行政官は 立派な方ばかりである ただし制度として 政府が大幅に介入して温暖化対策をやろうとすると さまざまな利害調整に直面し 何兆円かけてもほとんどCO2が減らない ということが起こりうる モデル試算の結果は これだけの費用をかければ これだけの省エネ 新エネが入って これだけのCO2が減る と読んではいけない 逆に これだけの省エネ 新エネが入って これだけのCO2が減るためには かなり理想的な政府であっても 少なくとも これだけの費用がかかる と読まねばならない このことはオランダの経済学者で温暖化問題を研究している リチャード トル氏 が以前IPCCのモデル試算を対象として指摘していたことだ 今回の 選択肢 のモデル試算についても そのまままったく当てはまる 注4 GDPは成長を想定している一方 発電電力量はほとんど増えないという過去のトレンドと全く異なる仮定をおいた上での経済影響推計であり 逆に言えば 発電電力量の想定を正とすれば GDPはほとんど成長しない 更に選択肢による経済損失を加味すれば マイナスのGDP成長も十分予測し得るものである いずれの選択肢においても2030年に現在よりもGDPが成長することを保証しているわけではない 秋元圭吾 エネルギー環境会議選択肢RITE分析の概要 筆者注 発電電力量の想定を正とすれば とは 発電電力量の想定をこのようにマイナスの伸びとするならば 通常のモデル計算であれば という意であると思われる 注5 総務省 バイオマスの利活用に関する政策評価 評価結果および勧告 2011年 分りやすい解説として 再生可能エネルギー政策論 朝野賢治著 エネルギーフォーラム社 4 シナリオ の危険性 これらの シナリオ の想定が実現する可能性はゼロではない しかし きわめて難しい このシナリオの実現を目指すとコストが法外にかかることになるだろう どのようなコストかというと まず エネルギー需要は これまで述べたよりもさらに高く推移する可能性があることに留意する必要がある シナリオ はいずれも 2030年までの平均で年約1 の経済成長を見込んでいる 注6 しかし これは国の成長戦略方針である平均で年約1 5 の経済成長の目標と相容れない 注7 経済成長率の0 5 の違いは 20年間累積すると経済規模の10 の違いになる エネルギー消費量もCO2排出量も 経済規模に比例するのが普通であるから 経済成長率の0 5 の違いは 20年間累積すると経済規模の10 の違いになる このような可能性をおくとしても いずれの シナリオ でも 経済成長率が低いのみならず エネルギー需要 電力需要のいずれも低い水準で推移するとしている また再生可能エネルギーについては過度な期待がある 現実にはこのシナリオに比べて 電力需要は大きく上振れする一方で 再生可能エネルギーは大きく下振れする可能性が高い この結果 エネルギー需給 電力需給がいずれも逼迫する 原子力 火力といった大規模な電源を整備するためには 長期的な計画が必要である 今回提示されたシナリオを選択すると どれを選択した場合においても そのような長期的整備を行うことの必要性を認識しないことになってしまう 需給が逼迫してから慌てて修正しようとしても 間に合わず 慢性的なエネルギー不足や電力不足が生じる可能性が生じてしまう 将来のエネルギー供給に不安があるとすれば 優良な企業 最新の技術に投資する企業ほど 日本国内に投資をしなくなってしまうだろう これは日本経済にとって 長期にわたる大打撃になる さらに 省エネルギー 省電力は シナリオ通りには進まないと見られるが 今回 シナリオを選択すると これをシナリオ通り実行しようとする政治的な力が働き これは未熟で高価な省エネ 省電力機器へのばらまきとなって 多大なコストになることが懸念される 今回提示されたシナリオは いずれも 現実性がきわめて乏しい 仮にこれらのうち一つが選択されたとしても 現実の実施段階においては 大きな混乱とコストを招いた挙げ句 すぐに大幅な見直しを余儀なくされるだろう したがって どのシナリオを選ぶことも適切ではない これらのシナリオはすべて白紙に戻し あらためて日本のエネルギー需給のあり方についてより専門的な検討を行うことが最善である 注6 正確には 2010年代で年率1 1 2020年代で年率0 8 のGDP成長率 実質 を想定したものであり 慎重ケース と命名されている 注7 政府は2020年度に向けて年2 程度の実質成長をするという方針を掲げている 日本再生の基本戦略 平成23年 2011年 12月 閣議決定p5 国の経済成長の方針と 選択肢 の不整合について指摘するものとして エネルギー

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  • NPO「原子力科学者からの報告」(Bulletin of the Atomic Scientists) : Global Energy Policy Research
    そのプラスとマイナスを分析した また池田さん 竹内さんは共に 1月に亡くなった国際環境経済研究所の澤昭裕さんと共に仕事をしてきました 澤さんの追悼と思い出を番組で振り返った 映像 中東の激動で原油はどうなる 2016年1月13日放送 出演は岩瀬昇氏 エネルギーアナリスト 池田信夫氏 アゴラ研究所所長 司会は石井孝明氏 ジャーナリスト 1バレル30ドル割れの原油価格の下落が続く一方で 中東情勢の不透明感が増している 2016年の原油価格はどうなるのかを考えた 映像 原子力報道 メディアの責任を問う シンポジウム 2015年12月8日開催 静岡県掛川市において 出演は田原総一朗 ジャーナリスト モーリー ロバートソン ジャーナリスト ミュージシャン 松本真由美 東京大学客員准教授 キャスター の各氏が出演 池田信夫アゴラ研究所所長が司会を務めた 原子力をめぐり メディアの情報は 正確なものではなく 混乱を広げた面がある それを メディアにかかわる人が参加し 検証した そして私たち一般市民の情報への向き合い方を考えた 映像 日本のプルトニウムの行方 2015年11月24日放送 出演は鈴木達治郎氏 長崎大学核兵器廃絶研究センター長 教授 池田信夫氏 アゴラ研究所所長 司会は石井孝明氏 ジャーナリスト 核兵器廃絶を求める科学者らの パグウォッシュ会議 が今年11月の5日間 長崎で開かれました 鈴木氏は その事務局長として会議を成功に導きました また14年まで国の原子力政策を決める原子力委員会の委員長代理でした 日本の原子力の平和利用を考えます 映像 福島は危険なのか 医療現場からの報告 2015年10月27日放送 出演は越智小枝 相馬中央病院内科診療科長 池田信夫 アゴラ研究所所長 司会は石井孝明 ジャーナリスト

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  • 田崎晴明学習院大学教授 : Global Energy Policy Research
    ジャーナリスト 1バレル30ドル割れの原油価格の下落が続く一方で 中東情勢の不透明感が増している 2016年の原油価格はどうなるのかを考えた 映像 原子力報道 メディアの責任を問う シンポジウム 2015年12月8日開催 静岡県掛川市において 出演は田原総一朗 ジャーナリスト モーリー ロバートソン ジャーナリスト ミュージシャン 松本真由美 東京大学客員准教授 キャスター の各氏が出演 池田信夫アゴラ研究所所長が司会を務めた 原子力をめぐり メディアの情報は 正確なものではなく 混乱を広げた面がある それを メディアにかかわる人が参加し 検証した そして私たち一般市民の情報への向き合い方を考えた 映像 日本のプルトニウムの行方 2015年11月24日放送 出演は鈴木達治郎氏 長崎大学核兵器廃絶研究センター長 教授 池田信夫氏 アゴラ研究所所長 司会は石井孝明氏 ジャーナリスト 核兵器廃絶を求める科学者らの パグウォッシュ会議 が今年11月の5日間 長崎で開かれました 鈴木氏は その事務局長として会議を成功に導きました また14年まで国の原子力政策を決める原子力委員会の委員長代理でした 日本の原子力の平和利用を考えます 映像 福島は危険なのか 医療現場からの報告 2015年10月27日放送 出演は越智小枝 相馬中央病院内科診療科長 池田信夫 アゴラ研究所所長 司会は石井孝明 ジャーナリスト 越智氏は公衆衛生学の研究者であり 内科医でもある 福島の現状 医療や公衆衛生の問題点を聞いた ポッドキャスト ニコ生アゴラ 2012年の夏 果たして電力は足りるのか 原発再稼動問題から最新のスマートグリッド構想まで 節電の夏を乗り切る方法 について徹底検証 2012年6月5日放送 報告記事

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  • NPO国際環境研究所 澤昭裕氏、竹内純子氏(2012年6月公表) : Global Energy Policy Research
    竹内さんは共に 1月に亡くなった国際環境経済研究所の澤昭裕さんと共に仕事をしてきました 澤さんの追悼と思い出を番組で振り返った 映像 中東の激動で原油はどうなる 2016年1月13日放送 出演は岩瀬昇氏 エネルギーアナリスト 池田信夫氏 アゴラ研究所所長 司会は石井孝明氏 ジャーナリスト 1バレル30ドル割れの原油価格の下落が続く一方で 中東情勢の不透明感が増している 2016年の原油価格はどうなるのかを考えた 映像 原子力報道 メディアの責任を問う シンポジウム 2015年12月8日開催 静岡県掛川市において 出演は田原総一朗 ジャーナリスト モーリー ロバートソン ジャーナリスト ミュージシャン 松本真由美 東京大学客員准教授 キャスター の各氏が出演 池田信夫アゴラ研究所所長が司会を務めた 原子力をめぐり メディアの情報は 正確なものではなく 混乱を広げた面がある それを メディアにかかわる人が参加し 検証した そして私たち一般市民の情報への向き合い方を考えた 映像 日本のプルトニウムの行方 2015年11月24日放送 出演は鈴木達治郎氏 長崎大学核兵器廃絶研究センター長 教授 池田信夫氏 アゴラ研究所所長 司会は石井孝明氏 ジャーナリスト 核兵器廃絶を求める科学者らの パグウォッシュ会議 が今年11月の5日間 長崎で開かれました 鈴木氏は その事務局長として会議を成功に導きました また14年まで国の原子力政策を決める原子力委員会の委員長代理でした 日本の原子力の平和利用を考えます 映像 福島は危険なのか 医療現場からの報告 2015年10月27日放送 出演は越智小枝 相馬中央病院内科診療科長 池田信夫 アゴラ研究所所長 司会は石井孝明 ジャーナリスト 越智氏は公衆衛生学の研究者であり 内科医でもある

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  • 原子力学会誌特集(12年6月号) : Global Energy Policy Research
    司会は石井孝明氏 ジャーナリスト 1バレル30ドル割れの原油価格の下落が続く一方で 中東情勢の不透明感が増している 2016年の原油価格はどうなるのかを考えた 映像 原子力報道 メディアの責任を問う シンポジウム 2015年12月8日開催 静岡県掛川市において 出演は田原総一朗 ジャーナリスト モーリー ロバートソン ジャーナリスト ミュージシャン 松本真由美 東京大学客員准教授 キャスター の各氏が出演 池田信夫アゴラ研究所所長が司会を務めた 原子力をめぐり メディアの情報は 正確なものではなく 混乱を広げた面がある それを メディアにかかわる人が参加し 検証した そして私たち一般市民の情報への向き合い方を考えた 映像 日本のプルトニウムの行方 2015年11月24日放送 出演は鈴木達治郎氏 長崎大学核兵器廃絶研究センター長 教授 池田信夫氏 アゴラ研究所所長 司会は石井孝明氏 ジャーナリスト 核兵器廃絶を求める科学者らの パグウォッシュ会議 が今年11月の5日間 長崎で開かれました 鈴木氏は その事務局長として会議を成功に導きました また14年まで国の原子力政策を決める原子力委員会の委員長代理でした 日本の原子力の平和利用を考えます 映像 福島は危険なのか 医療現場からの報告 2015年10月27日放送 出演は越智小枝 相馬中央病院内科診療科長 池田信夫 アゴラ研究所所長 司会は石井孝明 ジャーナリスト 越智氏は公衆衛生学の研究者であり 内科医でもある 福島の現状 医療や公衆衛生の問題点を聞いた ポッドキャスト ニコ生アゴラ 2012年の夏 果たして電力は足りるのか 原発再稼動問題から最新のスマートグリッド構想まで 節電の夏を乗り切る方法 について徹底検証 2012年6月5日放送

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  • 電力自由化の条件:通信自由化の教訓 : Global Energy Policy Research
    このように目的が明確だったことが政官財の連携や戦略的な改革を可能にしたといえよう 2 電力自由化の目的は何か これに対して電力自由化は もともとはオール財界のエネルギーコスト削減という意向を受けて1995年に通産省が始めたものだが 財界の中心である電力会社が強く反対したため 最終段階で腰砕けになった この点は電電公社と財界との対立が基本的な構図だったのとは対照的で 電力改革が進まない原因の一つである 利用者にとっても 自由化で料金が下がるかどうかは明らかではない 1996年に電力指令で自由化が決まったEUでは もっとも競争が進んだイギリスでも 図のように自由化前と比べて特に急速に価格が低下したわけではない ドイツでは競争の結果 8大電力会社が4社に統合され フランスでは独占が続いているが 価格の低下はこうした自由化の程度とほとんど無関係に 自由化前から一定の比率で下がっている これはエネルギー価格の変化の影響のほうが大きいと思われる 山口 2007 図 EU諸国の家庭用電気料金 問題は 自由化したら競争が起こるのかということだ すでに自由化されている大口でも 電力会社以外の新電力のシェアは3 5 であり それよりはるかに大きなコストのかかる小口で参入が起こるかどうかは疑問である この一つの原因は 電力会社の送電系統を利用する 託送料 が高いことで 高圧電力で4 89円 kWh 電力会社の大口電力料金は全国平均で13 65円だから 託送料は料金の36 にのぼる しかし最大の原因は 電力事業はインフラ投資 特に送電網 の固定費が大きいため 規模の利益が非常に強いことだ 電力会社は多くの企業に送電するので単価が安いが 新電力の利用者は少ないので 電力会社より安い料金を出すのがむずかしい 今ある新電力は 鉄鋼やガスなどの重厚長大企業が工場で発生する熱を利用する副業としてやっているのがほとんどだ 他方 小口の電気料金は総括原価方式なので 確実に利益が上がる 東電の規制部門 主に小口電力 の販売電力量は全体の38 だが 営業利益の91 は規制部門から上がっている では小口を自由化すれば 新規参入が増えて家庭用料金が下がるかというと 事はそれほど単純ではない 自由化しても 電力利用者は東電の管内だけで1700万世帯 設備投資は兆円単位になる そんな巨額の資金を調達でき インフラ技術をもつ企業は数えるほどしかない この点で 東電が今年の秋に入札を行なうスマートメーターは重要である これを現在のような東電固有の規格にすると 小口電力への新電力の参入は事実上不可能になろう 他方 この規格をオープンにし モジュールごとに国際標準化して通信企業なども参入できるようにすれば 情報とエネルギーの融合するイノベーションの可能性もある スマートメーター研究会 2012 3 重要なのは競争促進 最大の問題は自由化するかどうかではなく それによって新しい企業が参入するかどうかである 1985年に電電公社の民営化と同時に電気通信事業法が施行されて電気通信が自由化されたときも 競争相手が現われるかどうかが問題だった 独自の通信網をもち 大幅な余剰員員を抱えた国鉄が 日本テレコム を設立したほか 高速道路の側溝に光ファイバーの管路をもつ道路公団が 日本高速通信 を設立したが いずれも半官半民のような企業で NTTと競争できるかどうかは疑問だった そこでオール財界の支援で 第二電電 DDI が設立され 京セラの稲盛和夫を中心にして セコム ソニー 三菱商事など25社が出資した DDIの専務になった千本倖生を初め NTTから多くの技術者が転籍したほか 真藤社長はNTTの保有していた東名阪のマイクロ回線のうち1ルートをDDIに貸した これには社内でも反対が強かったが 真藤のねらいは競争を促進して社内を合理化することだった 結果的には 競争に生き残ったのはインフラをもっていた日本テレコムや日本高速通信ではなく 技術もインフラもないDDIだった 大事なのは技術ではなく起業家精神なのだ このような 管理された競争 は市場をゆがめ 特定の企業に利益誘導を行なったという批判も強いが 市場にまかせていたら 自由化しても競争は起こらなかっただろう この問題は 電力のほうがむずかしい 民営化当時の電電公社の売り上げは約5兆円で今の東電とほぼ同じだが 10電力全体では15兆円 物価を勘案しても当時の電話の1 5倍の産業だから 競争を導入するには非常に大きなパワーが必要である エネルギー産業は 情報通信技術と結びついてイノベーションを生み出す可能性を秘めている 日本の企業がアップルやグーグルのような超高速イノベーションに追随するのはむずかしいが エネルギーのようなインフラ型産業では高い信頼性やサービス品質が競争優位になる エネルギー分野では日本の技術的優位は大きく 情報通信と連携する技術はまだ確立していないので 日の丸技術 にこだわらないで国際標準化を進めれば 日本企業にも勝機はある 4 インフラ分離の功罪 AT Tの分割のときは 地域電話会社と資本関係を完全に切って構造分離されたが BTは一体のまま民営化された NTTはBTをモデルにして 相互接続を規制することによって公正競争を確保しようとしたが 臨調答申の通り完全分離せよという声は強く その後も1992年に電気通信審議会で経営形態が再検討され 無線を93年に分社化した それがNTT移動体通信 現在のNTTドコモ である 1997年には 分割と統合の妥協として持株会社方式が決まった 当時は商法で純粋持株会社は禁止されていたが 98年に商法を改正するという前提でNTTを純粋持株会社にする超法規的措置がとられた これは当時はうまい妥協案と見えたが 結果的には失敗だった 臨調で想定されていたのは市内網と長距離網の分離だったが このときすでにネットワークの主流はインターネットになり そこには市内も長距離もなかったからだ 結果的にはネットワークは県域で分断され 県境を超えた営業が禁止されるなど NTTのネットワークはきわめて非効率である このようにインフラを分離することは一長一短で 通信のように技術進歩が激しい場合は 一時期の構造を固定してイノベーションを止めてしまうリスクがある 他方 電力のように技術が成熟している場合には そういうリスクは小さいが 電力品質に問題が生じる可能性がある 2000年代に経産省が進めようとした発送電分離が失敗した原因も カリフォルニアの大停電などの事件を受けて電事連が 分離すると安定供給できない と宣伝したことにある カリフォルニアの大停電の原因は自由化ではなく 卸し売りだけを自由化して小売り料金を規制した 規制の失敗 にある 浅野 矢島 2004 しかし発電の制御を送電網で行なっている現在の電力会社のインフラを分断することが供給の安定性を低下させることは間違いない このため経産省が検討しているのは完全分離ではなく 電力会社がインフラを保有したまま第三者が運用を行なうISO independent system operator に分離する 機能分離 だといわれる この場合も 発電事業に新しい企業が参入して効率が上がれば 供給の不安定化というコストを上回るメリットがあろう またDR demand response のような技術を使って需要を管理する独立系の事業者が出てくる可能性もある 現状では こうした事業者は電力会社の許可を受けないと電力網に接続できないので日本では皆無に近いが 送電系がISOになれば 自由度が上がるだろう 技術がモジュール化されることで環境への対応も柔軟にでき 原発の安全性が高まり イノベーションも期待できる Aoki Rothwell 2011 5 結び 電力自由化は 欧米では90年代にほぼ終わったもので 日本は宿題をやり残している 完全自由化は既定方針であり 発送電分離も機能分離ぐらいであれば 安定供給にそれほど支障はないだろう しかしこのような企業分割は 競争政策としてはもっとも強いものであり 電力会社の反対も強い かつては自由化の最中にアメリカの大停電などが起こり 自民党の政治力を使った電事連に経産省が押しきられたが 今回は原子力損害賠償支援機構が東電の株式の過半数をもっているので 法的には分割や売却は可能である しかし東電以外の電力会社は それぞれの地域の財界のトップであり 余命いくばくもない民主党政権に妥協するとは思えない 現在の日本の電力品質は世界一であり 料金もそれほど高いほうではない という反論に対して 政治が指導力を発揮できるかどうかは疑問である また 脱原発 という本質的ではない問題が混在していることが 自由化論議を混乱させている いずれにせよ重要なのは 新しい企業が参入することであり それは国内企業に限る必要はない 今後のアジア市場の成長を考えると むしろ最初からアジアを視野に入れて自由化したほうがいいかもしれない 原発事故という災いを転じて福となすためにも 政府の長期戦略が必要である 参考文献 Aoki M and Rothwell G Organizations under Large Uncertainty An Analysis of the Fukushma Catastrophe スマートメーター研究会 東京電力発注のスマートメーター通信機能基本仕様に対する意見書 浅野浩志 矢島正之 米国における電力自由化の動向 八田 田中編 電力自由化の経済学 山口聡 電力自由化の成果と課題 調査と情報 第595号 映像資料 映像 電力自由化まであと2ヶ月 電気代は安くなるのか 2016年2月2日放送 出演は竹内純子さん NPO国際環境経済研究所理事 主席研究員 宇佐美典也さん エネルギーコンサルタント 池田信夫さん アゴラ研究所所長 4月から電力の小売りが自由化される そのプラスとマイナスを分析した また池田さん 竹内さんは共に 1月に亡くなった国際環境経済研究所の澤昭裕さんと共に仕事をしてきました 澤さんの追悼と思い出を番組で振り返った 映像 中東の激動で原油はどうなる 2016年1月13日放送 出演は岩瀬昇氏 エネルギーアナリスト 池田信夫氏 アゴラ研究所所長 司会は石井孝明氏 ジャーナリスト 1バレル30ドル割れの原油価格の下落が続く一方で 中東情勢の不透明感が増している 2016年の原油価格はどうなるのかを考えた 映像 原子力報道 メディアの責任を問う シンポジウム 2015年12月8日開催 静岡県掛川市において

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  • マサチューセッツ工科大学(MIT)研究チーム : Global Energy Policy Research
    主席研究員 宇佐美典也さん エネルギーコンサルタント 池田信夫さん アゴラ研究所所長 4月から電力の小売りが自由化される そのプラスとマイナスを分析した また池田さん 竹内さんは共に 1月に亡くなった国際環境経済研究所の澤昭裕さんと共に仕事をしてきました 澤さんの追悼と思い出を番組で振り返った 映像 中東の激動で原油はどうなる 2016年1月13日放送 出演は岩瀬昇氏 エネルギーアナリスト 池田信夫氏 アゴラ研究所所長 司会は石井孝明氏 ジャーナリスト 1バレル30ドル割れの原油価格の下落が続く一方で 中東情勢の不透明感が増している 2016年の原油価格はどうなるのかを考えた 映像 原子力報道 メディアの責任を問う シンポジウム 2015年12月8日開催 静岡県掛川市において 出演は田原総一朗 ジャーナリスト モーリー ロバートソン ジャーナリスト ミュージシャン 松本真由美 東京大学客員准教授 キャスター の各氏が出演 池田信夫アゴラ研究所所長が司会を務めた 原子力をめぐり メディアの情報は 正確なものではなく 混乱を広げた面がある それを メディアにかかわる人が参加し 検証した そして私たち一般市民の情報への向き合い方を考えた 映像 日本のプルトニウムの行方 2015年11月24日放送 出演は鈴木達治郎氏 長崎大学核兵器廃絶研究センター長 教授 池田信夫氏 アゴラ研究所所長 司会は石井孝明氏 ジャーナリスト 核兵器廃絶を求める科学者らの パグウォッシュ会議 が今年11月の5日間 長崎で開かれました 鈴木氏は その事務局長として会議を成功に導きました また14年まで国の原子力政策を決める原子力委員会の委員長代理でした 日本の原子力の平和利用を考えます 映像 福島は危険なのか 医療現場からの報告 2015年10月27日放送

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  • 広島・長崎の原爆の被害者の追跡調査の第14報(英語) : Global Energy Policy Research
    映像資料 映像 電力自由化まであと2ヶ月 電気代は安くなるのか 2016年2月2日放送 出演は竹内純子さん NPO国際環境経済研究所理事 主席研究員 宇佐美典也さん エネルギーコンサルタント 池田信夫さん アゴラ研究所所長 4月から電力の小売りが自由化される そのプラスとマイナスを分析した また池田さん 竹内さんは共に 1月に亡くなった国際環境経済研究所の澤昭裕さんと共に仕事をしてきました 澤さんの追悼と思い出を番組で振り返った 映像 中東の激動で原油はどうなる 2016年1月13日放送 出演は岩瀬昇氏 エネルギーアナリスト 池田信夫氏 アゴラ研究所所長 司会は石井孝明氏 ジャーナリスト 1バレル30ドル割れの原油価格の下落が続く一方で 中東情勢の不透明感が増している 2016年の原油価格はどうなるのかを考えた 映像 原子力報道 メディアの責任を問う シンポジウム 2015年12月8日開催 静岡県掛川市において 出演は田原総一朗 ジャーナリスト モーリー ロバートソン ジャーナリスト ミュージシャン 松本真由美 東京大学客員准教授 キャスター の各氏が出演 池田信夫アゴラ研究所所長が司会を務めた 原子力をめぐり メディアの情報は 正確なものではなく 混乱を広げた面がある それを メディアにかかわる人が参加し 検証した そして私たち一般市民の情報への向き合い方を考えた 映像 日本のプルトニウムの行方 2015年11月24日放送 出演は鈴木達治郎氏 長崎大学核兵器廃絶研究センター長 教授 池田信夫氏 アゴラ研究所所長 司会は石井孝明氏 ジャーナリスト 核兵器廃絶を求める科学者らの パグウォッシュ会議 が今年11月の5日間 長崎で開かれました 鈴木氏は

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