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  • 僕が原発を捨てきれないわけ : Global Energy Policy Research
    インド11億人 アメリカ3億人 インドネシア2億4000万人 そして日本は10位の1億3000万人 計70億の人がいる その中で 世界の国別電力使用量はアメリカ22 中国19 日本5 インドはわずか4 だ つまり 世界における人口割合では5 にすぎないアメリカが世界の電力使用量の22 を占め 人口割合17 のインドは電力を4 しか使っていない 世界の大部分の人たちは世界平均以下の電力しか使っていないのだ 地球上に暮らすすべての人々が 日本やアメリカ並みに電力を使う権利があり それを実際に望んでいるのだ 暑いときには涼しくなりたい 寒いときには暖かくなりたい テレビを観たい いい音楽を聴きたい これは人間としての当然の欲求だ 中国やインドなど発展途上国の人たちが日本やアメリカ ヨーロッパなみにエネルギーを求めると エネルギー情勢は5年 10年単位で大きく変わっていく 厖大な量のエネルギーが必要となる 今後 地球温暖化もますます加速される そうした状況を考えると 日本一国でアタフタしているだけではダメで 世界的なスケールで物事を考えていかなければ日本も世界も成り立たない こうした状況を考えると エネルギー密度が高く 二酸化炭素を出さない原発は やはり捨てがたい技術だ しかしながら その危険性 溜まり続ける放射性廃棄物の問題は残されている 科学技術の可能性 時間軸の重要性 東日本大震災から半年後 気仙沼に行った 荒野と化した町が続き 各所に高く積み上げられた瓦礫の山があった 人の姿はほとんど見られない そして2年後 やはり何もない町の跡が広がり 復旧とは程遠い状態だった 阪神 淡路大震災のとき 半年後の神戸は人で溢れ 2年後には 形だけはもとの神戸を取り戻していたのではなかったか 復興のみならず復旧すら進まない理由の一つに 被災地のグランドデザインが決まらないことがある あるいは壮大すぎるのだ 次の巨大地震 津波にも耐える町づくりを目指しているのだ 高台移転や港の底上げなど方法は色々あるらしいが そのどれもが巨額の資金と時間のかかるものだ しかしながら 1000年 600年に一度の大災害を今から考え悩む必要はないのではないか まずは 復旧に全力を尽くすべきだ そして未来のことは未来に任せる 科学技術は指数関数的に発達している 特にここ数十年の進歩は著しい 100年後には100年後の科学技術があり 知恵がある その時代の科学 技術を使って災害に備えればいい 高レベル放射性廃棄物処分 に関しても同じではないか 地下何百メートルもの穴を掘って埋めてしまうなどというバカげた考えは捨てて 使用済み核燃料管理保管施設 を造り管理すればいいのだ そして 100年 200年ごとに見直していく 100年後 現在の数100倍 堅固で安全な貯蔵容器が作られているかもしれない 200年後 放射性物質の半減期を著しく早める装置や または薬品が開発されているかもしれない 廃棄物のほとんど出ない ビル一棟ほどの大きさの原子炉が一般的になっているかもしれない またさらに 現在ゴミとして廃棄に苦慮している高レベル廃棄物も新たな利用方法が発見されるかもしれない いや 発見するのが科学技術の進歩というものだ 原発自体にも 新たな技術革新が起こるだろう 現在も ある企業では燃料交換なしで30年間稼働出来る 1万キロワット規模の小型原子炉を建設する計画があると聞く このナトリウム冷却高速炉は 人的操作がなくても自然に炉停止 除熱を行ない 自然現象を活用した安全設計になっている 万が一の事故時でも影響の出るのは半径20メートル程度という小型原子炉らしい また 進行波炉 TWR という新型原子炉の開発も進んでいる 劣化ウランを燃料に使った 燃料補給なしに最長100年間稼働可能な次世代原子炉だ そして さらなるフールブルーフ フェールセーフ機能の充実を図り より安全な原発を造ることも可能である こうした技術が現実のものとなれば 日本での原発復活も夢ではないだろう そして大切なことは そうした未来に向けての科学技術の芽をつみ取らないことだ そして時々立ち止って過去と現在を見直し この大きな悲劇を後に伝えていくことではないか それによって あとは未来の人が未来の科学技術と知恵を駆使して解決していけばいい 今世紀末には地球上の人口は100億人に達すると言われている その人々が同様に豊かで便利な生活を送るためには 様々なエネルギー源を模索しておかなければならない 日本の責任と義務 日本を原発の中心に 日本はさておき 世界は原発建設に向かっていくことは述べた 実は3 11の前に 一冊の本を書いていた 原発NEXT という本だ 内容は 日本が世界に最も誇れるのは新幹線と水処理施設などの大規模インフラ そして原発だ つまり これらのものを輸出の三本柱にするということだ ちょうど 世界の流れとして発展途上国は 原発を造る という前提で動いていた ほんの2年前まで 日本の原発技術は フランスに並んで世界でトップクラスだと信じていた その安全で効率的な原発を 世界に輸出すべきだと 今世界の原発輸出でリードしているのは ロシアと韓国だ ロシア製や韓国製の原発が世界中にできていくのは ある意味非常に怖いのではないか だとしたら 日本の優れた技術を生かした原発を輸出していくことが 日本のみならず世界のためになると考えた しかし3 11以後 日本は脱原発の渦に呑み込まれた だが 原子力に関しての日本の役割は今までよりさらに大きくなったといえる まず 早急に必要なのは福島を起点とした 国の 事故総轄センター の設立である 現在 原発事故関係の資料を集めるには 様々な研究機関 大学 さらには企業のデータベースにアクセスしなければならない そして得られる資料 数値もさまざまである これまでも 国の発表すら各種の数値がコロコロ変わってきた これでは国民は何を信じていいのか分からず 増すのは不信ばかりだ 情報発信を一元化し 必要な情報はそのセンターに問い合わせれば 正確で信頼できるモノが得られる 除染や廃炉を含めて最高のアドバイスができる組織を福島の地に作るべきである 日本の英知のみならず 世界の英知を集めて取り組まなければならないことだ 日本はこの大きな悲劇を詳しく正確に 世界と未来に伝えていくことが義務であり 使命である 次に 世界中に作られつつある原発の安全性に対する世界基準の確立である 原発事故の恐ろしさは 国境を越えて広がることだ 取り返しのつかない事故を起こした日本が ぜひ提唱して実現してもらいたい 同時に重要なのは 原子力関係の技術者の養成である 今回の事故後 原子力関係に進む学生が激減したと聞いている 今後 廃炉を含めてますます多くの人材が必要となる エネルギーは いわば連立方程式の一つの解だ 経済 工業 人々の生活 地球環境 資源 政治など様々な要素が複雑にからみ合っている これらを解にした連立方程式なのだ その式の一つの係数が変わると すべての解に影響が出る その影響をうまく修正して答えを出す必要がある やはり日本は 世界から期待される国であってほしい そのためには 70億人の中の1億3000万人であるということを意識しながら よりよい解を見つけ出していく必要がある 高嶋 哲夫 たかしま てつお 1949年7月7日 岡山県玉野市生まれ 慶應義塾大学工学部卒 同大学院修士課程を経て 日本原子力研究所研究員 1979年 日本原子力学会技術賞受賞 その後カリフォルニア大学に留学 帰国後 作家に転身 帰国 で第24回北日本文学賞 メルトダウン で第1回小説現代推理新人賞 イントゥルーダー で第16回サントリーミステリー大賞の大賞 読者賞をダブル受賞 2007年 ミッドナイトイーグル が映画化されている 詳細な取材と科学知識に基づくクライシス 災害を題材にした迫真性のある小説で知られる 最新刊は 東海 東南海 南海 巨大連動地震 集英社新書 オフィシャルホームページ 2013年3月11日掲載 映像資料 映像 電力自由化まであと2ヶ月 電気代は安くなるのか 2016年2月2日放送 出演は竹内純子さん NPO国際環境経済研究所理事 主席研究員 宇佐美典也さん エネルギーコンサルタント 池田信夫さん アゴラ研究所所長 4月から電力の小売りが自由化される そのプラスとマイナスを分析した また池田さん 竹内さんは共に 1月に亡くなった国際環境経済研究所の澤昭裕さんと共に仕事をしてきました 澤さんの追悼と思い出を番組で振り返った 映像 中東の激動で原油はどうなる 2016年1月13日放送 出演は岩瀬昇氏 エネルギーアナリスト 池田信夫氏 アゴラ研究所所長 司会は石井孝明氏 ジャーナリスト 1バレル30ドル割れの原油価格の下落が続く一方で 中東情勢の不透明感が増している 2016年の原油価格はどうなるのかを考えた 映像 原子力報道 メディアの責任を問う シンポジウム 2015年12月8日開催 静岡県掛川市において 出演は田原総一朗 ジャーナリスト モーリー ロバートソン ジャーナリスト ミュージシャン 松本真由美 東京大学客員准教授 キャスター の各氏が出演 池田信夫アゴラ研究所所長が司会を務めた 原子力をめぐり

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  • 「死の淵を見た男」の著者・門田隆将氏の講演から : Global Energy Policy Research
    と連絡があった 日本では流されない壮絶なシーンが これでもかといった形で流れていたようだ 荒れ狂う原子炉との格闘 その後 国や東電 自衛隊や消防といった 福島第一事故に関わる当事者の対応や大混乱する官邸 保安院の対応を 私も皆さんと同じように不安な気持ちで見ていた訳だが 徐々に現場の様子が分かってきた際 放射能が充満する現場で 全電源喪失といった真っ暗闇の中を 懐中電灯一つで格闘した人間たちがいたことを知った 私はいつも同じ作業のプロセスを行う 何を取材し 何をその対象としたいのかと思う時 それは 私ならその同じ状態に身を置いたらどう行動するのか ということを 皆さんならどうしますか どこにどれだけの放射能があるのか分からない極めて危険な場所を それもガレキが散乱する真っ暗闇の中 どんな状況か分からない原子炉に向かって突入した日本人がいたわけである そんなことを知り ますます自分が真実を将来に伝えないとダメだと思った ただ書くためには東電関係者へのアプローチを始める必要があるわけだが 一方その間に 政府事故調をはじめ 計4つの報告書も出され全て読んだが ただ残念に感じたのは全ての報告書とも そんな壮絶な場所で闘った人間の顔が全く見えてこない やはり自分がこのような男たちを 実は現場では女性社員も活躍したが 後生に残さないとダメだと更に思いを強くした そこからの取材ルートの構築には相当困難を極めたが そこは週刊新潮のデスクを18年やった経験と実績が実を結んだ 1年以上を経たある日 やっとあるルートがズドンといった それから初めて吉田所長に会えたのは昨年7月だ 2回目に会った時がこの本の巻頭の写真であるが TV映像でみる吉田所長とは大きく違っていた ただ 迫力ある言葉は想像通り こんなことも言われた 門田さん 聞きたいことは何でも話すよ もし まずい部分があったら そっちでカットしてよ と こんなことを言える東電の人もいるのか と驚いた 私にとっては 亡くなった元東電副社長 山本勝氏以来だと感じた もちろん本にも書いたが 地震が来て 津波にあって全電源喪失となった後から 現場では原子炉を冷却する対応が始まっており その注水ルートの確保のための行動を起こしてる 外部電源がダメ 電源車もダメ メタクラも関連設備も水没しダメ といった中 先を見越した対応を現場では既に始めていたことも事実であり それも生身の人間がその作業をしていたわけだ 取材を進めるにあたって 取材を進めるにつけ 大きな障壁は東電本店 匿名で書いてほしいという要求をはじめ 途中から横槍が入ってきた しかし 私は実名で書いてこそ ノンフィクションだと思っている 福島第一の現場の闘いは描くが 東電そのもののヨイショ本を書くつもりなど 毛頭ない そんな匿名で書くような本なら 後世に残す意味がないし その必要がないと 考えてほしい 真実の歴史を語る人が 仮説や匿名で語るといった話しは聞かないでしょう 何十人もの現場取材を続け 基本的に1人3時間以上のヒアリングを行った そんな取材を進める中 一番記憶に残っていることを紹介したい 決死隊となった皆さんの中で 自分が死を覚悟した後 やり残したことがあるこ とに気づき 心が折れそうになった と仰った方がいた やり残したこととは何か と聞いたがなかなか教えてくれなかった 取材の最後にやっと答えてくれた それは 女房に ありがとう 今まで幸せだった という言葉を言えないまま死んでいくことです と 涙ながらに答えてくれたその言葉を聞いて 私も ぐっとこみ上げてくるものがあった こういう人たちが 暗闇の中 懐中電灯だけで突入を繰り返して暴走する原子炉を止めたということを歴史に残しておくべきだと思った 事故が与えてくれた教訓 日本のマスコミのあり方について 多くの教訓も残したと思う と同時に企業のあり方もそうだ 特にマスコミは一方的に物事を書く ラベリングした書き方で類型化したがる その方が書きやすいからだが 一言でいって 善と悪 のどちらかに決めて書くと書きやすい 戦争は悪だと決めると行動すべてが悪であるため書きやすい さらにそういう方向で書いている自分に徐々に酔ってくる 私はそういう記者たちが陥っているものを 自己陶酔型シャッター症候群 と呼んでいる 東電 悪と決めると極めて書きやすい 確かにミスはあった メタクラもバッテリーもダメ 地下に設置していたんだろう 津波が来ない前提ならばあえてそれでも問題ないとの判断をしたのだと思う ただ 現場にいる人 死と向き合った人も東電社員だ 家族もいる そういった角度で報じたマスコミはあっただろうか 記憶にない そんな闘った人 すなわち現場の真実に目を向けないのが 今のジャーナリズムだ 海水注入問題 一人私の取材を拒否された方がいる 武黒氏 当時東電の原子力担当副社長 だ 有名な海水注入問題であるが 官邸に詰めていたのが同氏 電話で おい吉田 海水注入をやめろ いいからやめろ 官邸がぐじゃぐじゃ言ってんだよ 吉田所長はこの武黒氏からの電話で 次にTV会議を通じて本店から海水注入の中止命令が来ると予想した そして 事前に担当者に 本店から中止の命令があった場合 俺が分かったと回答しても 注入は止めるな と内々に指示した これがご案内のとおり 本店の命令違反となった 実際にテレビ会議を通じて 中止命令が来たからだ だが 吉田所長は辞職を覚悟の上で 海水注入を続けた しかし ここで考えてほしいことは 本義 は何なのかということ 原子炉の暴走を止めるためには 海水注入を続けなくてはならないことはわかっている しかし 専門家が沢山いるはずの本店から 官邸に命令されたから と 海水注入中止命令が実際にやって来る そんな本末転倒の事態が実際に起こっていた しかし 本義を忘れない吉田さんによって それは回避された これこそ吉田さんの真骨頂だったと思う のちに調査団が現場に来た時 吉田さんは辞表を書いて覚悟の上でこのことを告白している 本義を忘れてしまうのは いつの時代もエリートに多い 東電本店が原子力を扱う事業者として 本義を忘れるようなことは決してあってはならない 吉田さんのような腹の据わった人がいて 日本が救われたと思う フクシマフィフティ 3月15日朝 いよいよ2号機のサプチャン サプレッションチェンバー 原子炉の圧力上昇を抑えるための水冷装置 の圧力がゼロを示した際 これでアウトだと思った人は多い その何時間か前のことだが 緊対室で吉田所長はふらっと立ち上がって テーブルに背を向けて自分の席の床に座り込んだ そんな光景を周りの何人もの人が見ていて いよいよ終わりだ と感じたようだ この時 吉田さんは目をつむって一緒に死んでくれる人間の顔を思い浮かべていた その時600人以上の人がまだ福島第一には居たわけだが 吉田さんは その後に爆発音がして 2号機のサプチャンの圧力がゼロを示した時 ついに 各班は最少人数を残して退避 という命令を出した 多くの職員が大混乱の中で去っていく時 緊対室から梃子でも動かない若者もいた そんな時 Sさん 編注 講演では実名 という防災安全グループの女性が あなた達には 第二 第三の復興があるのよ だから出なさい と大声をあげて 彼らを緊対室から引きずり出した 生きるか死ぬかのぎりぎりの場面だった これによって あの有名なフクシマフィフティの状態になった 実際は69人だったようだが この言葉も日本のマスコミではなく 海外メディアが名付けた訳だから日本のメディアは情けない しかしいったん避難した職員も また戻ってきて対応に参加 こういう戦いがあって あの暴走原子炉を止めたという事実がある 要するに 人間が止めた ということだ 大正生まれの気骨 一般の報道からは見えてこないこと それは なぜ日本人は突入できたのか なぜあのような危険な場所に命を省みず自ら飛び込んでいけたのか ということ 少し視点を変えてみる 第二次世界大戦でなくなった人の多くは大正生まれの人だった 実に同世代の 7人に1人 が死んでいる 生き残った6人が戦後復興 高度成長を作り上げた 生涯前進をやめなかった人たちであり 世代だったと言える 言い換えると 他人のために生きた人たち だ 毅然とした日本人がいた 私は 以前から大正生まれの人たちが 他人のために生きた人たち なら 戦後世代 すなわち 今 を生きる人たちは 自分のためだけに生きる人たち だと捉えてきた しかし この作品を上梓するために取材を重ねて それが間違っていたことに気づいた それは 現代の日本人にも 自己犠牲 を知り 毅然とした生きざま を知る人が数多くいた ということだ 私は 福島の現場で闘った人々を取材させてもらって 人間の使命感や責任感 そして家族への愛情の深さを改めて教えられた そして 故郷を命をかけて守ろうとした人たちがいたことを知った 取材を通じて いざという時 毅然とした日本人がいた ということを心から実感できたことが 私にとって最大の喜びだった 門田氏がこの作品を通じて実感した日本人観 私もまったく同じ感動と誇りを感じた ノンフィクション作品だった この事実を苦労され上梓した門田氏に感謝とねぎらいを申し上げたい 2013年3月11日掲載 映像資料 映像 電力自由化まであと2ヶ月 電気代は安くなるのか 2016年2月2日放送 出演は竹内純子さん NPO国際環境経済研究所理事

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  • リスク・コミュニケーションと不安の増幅メカニズム : Global Energy Policy Research
    政府 企業 専門家 以下 原発管理者 に対する 信頼 を著しく低下させた 福島原発事故以前は 原発管理者に対する絶対に近い信頼があった それは われわれ一般市民が専門的な内容を完全に 理解することはなくとも 事故が起きないことに対して 仮に何か発生したとしても 原発管理者が責任を持って適切に対応できることを信じていたからである 注2 ツイッターまとめ ラクイラ地震裁判をめぐって 3 ゼロリスク幻想と安全神話のゆらぎ ここでは 日本人が持つゼロリスク要求が 信頼を基本としたゼロリスク幻想を生み その結果 安全神話を 成立させた との見方をとる ゼロリスク幻想とは 日本的コミュニケーションの特徴のひとつと考えられるゼ ロリスク要求が生み出した状態である 一般市民と原発管理者と間の信頼の高さはコミュニケーション方法に影響する 情報の受け手 一般市民 は ゼロリスクの情報の提供を望み ゼロリスク要求 情報の出し手 原発管理者 は受け手のゼロリスク 安全 期待に応える これがお互いの信頼が高い状態でのゼロリスク幻想である 日本人にとってお互いに不満 不安の声を出さないことが相手への信頼を示す一つのコミュニケーション方法 である 日本人の美徳でもあり 世界から称賛されたストレートに不満を表明しない我慢強さが土台となっている その特性は同時にリスク情報の相互共有を含めたリスクリテラシー 対応力 の醸成を妨げることにつながってきた面もある イタリアのラクイラのケースは リスク情報のガバナンス 統治 に失敗したケースと捉えることができる リスクに対する認識の仕方や態度 怒り 不安 苦痛 は社会的 心理的 文化的な変数によって異なり 技術的な対応だけでは処理できないことを象徴している 注3 リスクを定義するに際しては 一般的に損害 damage を被る確率と損害の程度の積とする考えが採用され ている そして損害の程度を減少させる 人が危険に曝されることを減らす ことおよび損害を被る確率を減少さ 対応能力を増やすこと によってリスク管理をおこなうのが一般的である 確率的な考えを除外し 安全 ゼロリスク か 安全でない 100 リスク かの二者択一を重視するリスク コミュニケーション リスク情報伝達 は 信頼が高ければ安全神話へとつながり 信頼が低くなると不安の増大へとつながる 注3 今田高俊 2011 リスク社会の到来と課題 ソリューション研究の視点から 東京工業大学大学院社会理工学研究科 リスクソリューションに関する体系的研究 2012年度報告書 2 12 4 不安の増幅的フィードバック 不安の増幅的フィードバックのメカニズムを簡単に説明したい 日本の場合 一般市民と原発管理者の信頼が高い間は リスクに対する関 心は公表される情報を得ることで十分だった 言い換えると信頼をベースに安全 安心が維持されてきた ところが一般市民の原発管理者への信頼が低下するにともない 公表された情報に対して懐疑的になり 自分でリスク情報を判断することが多くなる そこで得られた内容 によっては 不安をより一層増加させることになる そのループ 信頼の低下 不信の増加 リスクへの関 心の増加 不安の増加 が順次繰り返されることで不安の増幅的フィードバックが生成する 図1 図 1 不安の増幅的 正の フィードバック Anxiety Amplifying Feedback Loops ここでは 震災後に一般市民の不安が増加して ある一定期間を経過後も低下しなくなる様子を 不安の増幅的フィードバック が発生したとしている その状態を示す明確なデータを個別にみつけることは容易ではないが ひとつの指標として原発関連事故による不安感についての世論調査結果を示す 表1 にある回答項目の不安感じる 大いに感じる と ある程度感じる の合計 の数値は 震災後の調査 2011年6月 に90 を示す その後 一時的に低下するものの 震災後1年経過した2012年3月の世論 調査では 90 の 高水準を維持している 注4 表1 NHK 放送文化研究所 2012 社会や政治に関する世論調査 原発事故は過去に散発的に発生していたが 個別の世論調査による不安感を質問したアンケート結果からは あ る 一 定 期 間 が 経 過 す る と 事 故 が 起 こ る 前 の 水 準 に 戻 る こ と が 示 さ れ て い る 注5 今 回 は 東 日 本 大 震 災 後 1 年 を 経過したあとも不安に関連する項目の数値が震災直後のままである アンケートでの不安感が高い水準を維持している要因としては 福島原発事故後に公表された政府 電力会社 を含む原発管理者によってなされた事故対応への失望とそれに加えて世論操作と疑われる行為が発覚したことにより 一般市民の信頼が大幅に低下したことがあると考えられる 注4 最終回 2012年3月 調査では 趣旨は同じものの質問文が若干変わっている ここでは 不安感 を問う同じ趣旨の質問として取り扱っている 注5 下岡浩 2007 意識調査からみた原子力発電に対する国民意識 第35回原子力委員会 資料第3号 エネルギー総合工学研究所 資料によれば 大きな事件 事故直後は不安感が増すが 時間の経過と共に元にもどる および 不安を抱きつつも有用を認める故 原子力発電の利用を認めている という特徴がみられるとしている 5 おわりに 不安の増幅的フィードバックを抑制するには 原発管理者 政府 企業 専 門家 が一般市民からの信頼を回復させつつ 一般市民のリスク意識の高まりに合わせた新たなリスク コミュニケーション リスク情報伝達 に対応することが必要である ひとつの考えとしては すべての利害関係者 政府 企業 専門家 一般市民 が関与する 熟議 があげられる イタリアのラクイラのように 行政側の目指す結論があらかじめあり それにお墨付きを与えるために専門の学者を集めてリスク情報を伝達したとみなされては リスク管理者と一般市民の間の信頼を著しく低下させることにつながり 最終的には不安を増幅させる結果となってしまう そのためにもお互いの信頼が 高い間から情報伝達される側のリスクリテラシー対応力を高める努力が必要である たとえば原子力を含めた将来のエネルギー問題をさまざまな機会に環境問題を含めて幅広く議論する仕組みを構築すべきであろう 最近では 放射性廃棄物の処理に関する議論が注目されており 専門家と一般市民とのリスク コミュニケーション リスク情報伝達のあり方 が 一層大きく問われている 注6 日本学術会議 2012 高レベ ル放射性廃棄物の処分について を参照 2013年3月11日掲載 映像資料 映像 電力自由化まであと2ヶ月 電気代は安くなるのか 2016年2月2日放送 出演は竹内純子さん NPO国際環境経済研究所理事 主席研究員 宇佐美典也さん エネルギーコンサルタント 池田信夫さん アゴラ研究所所長 4月から電力の小売りが自由化される そのプラスとマイナスを分析した また池田さん 竹内さんは共に 1月に亡くなった国際環境経済研究所の澤昭裕さんと共に仕事をしてきました

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  • シェール・ガス革命とその影響 : Global Energy Policy Research
    ガス シェール オイルの資源としての魅力は 頁岩という石油 天然ガスの根源岩に存在するために 現在分かっている資源量だけでも在来型の天然ガス資源の5倍以上と膨大なことである 図表3 もはや 米国は250年 400年にわたって石油 天然ガス資源枯渇の心配をする必要がなくなっている 図表3 米国の原油生産量 単位 千b d 出所 BP統計2012年6月 図表3 非在来型天然ガスの資源量 単位 兆立方フィート コール ベッド メタン シェール ガス タイト サンド ガス 小計 北米 3 017 3 840 1 371 8 228 中南米 39 2 116 1 293 3 448 西欧 157 509 353 1 019 東欧 118 39 78 235 ロシア 3 957 627 901 5 485 中東 0 2 547 823 3 370 アフリカ 39 274 784 1 097 中国 1 215 3 526 353 5 094 その他 509 2 625 1 450 4 584 世界合計 9 051 16 103 7 406 32 560 出所 米国地質調査所 米国は これまで日量1000万バレルを超える石油を輸入し 米国にとって最大の輸入品目である しかし 石油 天然ガスの輸入が必要なくなるとすると 貿易赤字の削減をもたらす好ましい効果が生まれる さらには中東からの原油輸入が必要なくなるならば 中東原油の安定調達のために 世界の産油地帯であると同時に世界の火薬庫でもあるペルシャ湾の安全保障を目的とした多額の軍事費を中東に費やす必要性が消失し 財政赤字の改善にも寄与する いわば 双子の赤字の解消につながるといえる 米国では 既に天然ガス生産量の3割程度をシェール ガスが占め シェール オイルの生産量も日量100万バレルを超える水準に達している 世界に広がるシェール ガス革命の影響 エネルギー大消費国である米国におけるエネルギー需給の緩和は 国際エネルギー市場に玉突き的な影響を与えている 米国における天然ガス生産量の増加によって 石炭火力発電から天然ガス火力発電への転換が進み 米国への輸出ができなくなったコロンビア産の石炭がアジア大洋州に流入した 日本が発電用の燃料としている豪州ニューカッスル港渡しの一般炭価格は 2013年1月時点で1トン当たり99 4ドルと 最高値の半値近くまで暴落 日本の石炭火力発電の燃料となる一般炭価格も下落して 日本にとって発電コストの低下につながっている シェールガスに随伴するプロパンの生産量増加によって 2012年12月時点において 米国のモントベルビュー渡しのプロパン価格は 1トン当たり400ドル程度と サウジアラビアの国営石油企業であるサウジアラムコが日本に提示するプロパン価格CP コントラクト プライス が1トン当たり1050ドルと比較すると 半値以下となっている OPECは 2012年11月8日に米国のシェール ガス生産の増加の影響によって 国際エネルギー需給が緩和し OPECの原油供給に影響を与えるとしている OPECは 2020年から2035年にかけて米国のシェール オイルの生産量は日量200万バレル 300万バレル増加すると予測している OPECは 今後は米国をはじめとしたOECD諸国 先進国 の原油生産量は 2035年には日量500万バレル近く増加すると推定している 図表4 21世紀半ばにかけてOPEC諸国の国際石油市場におけるプレゼンスは 大幅に低下することは間違いない 図表4 OPECによるOECD諸国原油生産量推移 単位 百万b d 出所 OPEC世界石油見通し2012年9月 シェール ガスの一つの強みは 在来型天然ガス 在来型石油と異なり 資源量が膨大であり シェール ガスをはじめとした非在来型天然ガス資源は米国以外の国にも幅広く存在することである 図表5 図表5 シェール ガスの資源量 単位 兆立方フィート 国名 原始資源量 技術的回収可能資源量 中国 5 101 1 275 アルゼンチン 2 732 774 メキシコ 2 366 681 南アフリカ 1 834 485 カナダ 1 490 388 豪州 1 381 396 リビア 1 147 290 ブラジル 906 226 アルジェリア 812 230 ポーランド 792 187 フランス 720 180 出所 米国エネルギー情報局統計 中国には米国を超えるシェール ガス埋蔵量があり その他に欧州諸国にも莫大なシェール ガスの存在が分かっている 既に中国の四川 貴州等において探鉱 開発が進められており 中国政府は 2020年には年間600億立方メートル 800億立方メートルのシェール ガスの生産を行うという意欲的な目標を掲げている 欧州諸国においてもポーランドにおいてシェール ガスの生産が始まっている 図表6 図表6 米国以外における非在来型石油 天然ガス開発動向 国 概要 欧州 英国南部でコール ベッド メタン開発 欧州 フランス南部でトタールがシェール ガス部分的開発 欧州 ポーランドでトタールがシェール ガス開発計画 欧州 ウクライナでシェルがシェール ガス開発2018年 欧州 ルーマニアでシェブロンがシェール ガス開発 中国 CNPCがコール ベッド メタン開発計画 中国 CNPCとBPがシェール ガス開発 インド コール ベッド メタン開発 豪州 クイーズランド州でシェール ガス商業生産 インドネシア コール ベッド メタン開発 出所 各種新聞報道 しかし 明るい希望をもたらすシェール ガスではあるものの 今後の開発には多くの課題がある 第1にシェール ガスの生産には大量の水を注入することから 内陸部におけるシェール ガスの開発にあたって水をどのように調達するか 第2に地下に注入された水が汚染水として河川を汚染したり 飲料水を汚染する危険が環境保護団体から提起されている 第3に水圧破砕に伴う地盤沈下 地震の発生の危険性も指摘されており フランスにおいては水圧破砕によるシェール ガス開発が禁止される状況となっている 第4にシェール ガスの開発にあたっては

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  • 二兎を追った悲劇 — ドイツの電力自由化と再生可能エネ促進 : Global Energy Policy Research
    差額は サーチャージとして小売電気事業者に転嫁できるので EEXの市場価格がどうなろうと TSOは全く困らない 再生可能エネルギーによる発電量が余剰となるほど何とかして売りきろうとするから ネガティブ プライスすら発生することになる しかし 手厚い政策補助を受けた電源に起因する余剰分の電気が 投げ売り されて 価格決定を支配するような電力市場は 明らかに歪んでいると言えるだろう ガス火力や石炭火力を駆逐しないための苦肉の策 現行のドイツの仕組みでは 再生可能エネルギーが増加するほど 卸電力市場の顕著な価格低下につながるため 在来のガスや石炭火力発電所の収益性は圧迫される エネルギー転換 という国策の一環として 火力発電よりも再生可能エネルギーを優遇しているのだから当然の結果でもある しかし その帰結として火力発電所が電力市場から駆逐されてしまうとどうなるのだろうか 図2は50Herz Transmission社というドイツ東部のTSO 2012年の域内最大ピーク需要1 396万kW が買い取った風力発電の発電量を示したものである 同社エリアに2011年末までに設置された風力発電設備容量1140 8万kWを基準 100 とする相対値をプロット 風力発電の電気は不規則に変動し 出力が設備容量の5 にも達しない時間帯が30 程度もある このように風力発電の発電量が少ない時間帯には 在来の火力発電によるバックアップやエリア外からの電力輸入によって 電力供給をまかなわなければならない また 需要と無関係に出力ゼロになることもあるわけであるから 風力発電が増えたからと言って 既存の火力発電設備は廃止できないことになる つまり 風力発電の優遇によって在来の火力発電が市場から駆逐されてしまえば 風力発電が不調の時期には その分だけ供給力不足が生じることになる 図2 ドイツ50Hertz Transmission社エリアでの風力発電出力 設備容量に対する 2013年1月1日 2013年2月16日 このため ドイツ政府は2012年末になって 電力不足に備えてTSOが一定量以上の負荷遮断契約 需給ひっ迫時に緊急的に需要を削減する契約 を締結することを法制化した さらに2013年からは 火力発電所を保有する発電会社に許可なく設備を廃止することを禁じるとともに 系統安定上必要であると認定した火力発電所については5年間の運転継続を命じ この間の火力発電の維持にかかわる費用を政府が補てんすることを決定している 加えて2013年6月からは 新鋭のガスコンバインドサイクル火力発電所などの建設に対して 何らかの助成を行うことまで検討しているという 再生可能エネルギーを優遇 助成する措置を進めた結果 皮肉なことに 系統を崩壊させないように Die Welt紙 火力発電への助成も行うことが必要になったわけだ 発送電分離とFITの帰結は民間による電気事業の終焉 ドイツの事例は FITによる再生可能エネルギーへの助成 優遇を始めると その帰結として火力発電への助成 優遇措置も同時に必要となってくることを示している ドイツは電気事業の発送電分離と全面自由化を行い 発電事業者は供給義務を負っていない そのためにか再生可能エネルギーによる電気の投げ売りによって 火力発電設備の収益性が悪化すれば 既存の発電事業者は撤退するだろうし 新規参入などは到底望むべくもない それを引き止める あるいは新規参入を何とか呼び込むために政府が介入し 助成 優遇を行わざるを得なくなっているわけだ 電力取引所であるEEXは政府介入に対する懸念から 政府 規制当局からの介入が増加するほど 投資家にとっての不確実性が増大することになり 究極的には投資意欲は損なわれる との声明を発表している 2013年2月 冒頭紹介した通り Die Welt紙も政府が市場に介入すればするほど取引価格が歪められて 電力システムはかえって手に負えなくなると警告する このような政府の介入は何をもたらすのか 市場価格や火力発電設備の稼働率が低下しても発電事業者に損失が発生しないようにするためには 少なくとも火力発電所の固定費 可変費の合計と市場からの収入の差額を政府が補填する必要がある そうなれば火力発電事業者にとっても電気が市場で売れさえすればよく EEXの市場価格は意味を持たなくなっていく 究極的には前述したTSOによる再生可能エネルギーの投げ売りとあいまって 市場価格が頻繁に下限に張り付くような状況が生じる可能性がある 結果としてEEXの取引価格とは全く無関係に再生可能エネルギー事業者へは固定価格による支払いがおこなわれ 政府が認定した火力発電事業者にはその固定費 可変費 おそらく適正利潤も加えなければ事業者は撤退するだろう の支払いが行われることになる これらが電気代や税金にすべて上乗せされるから 電力市場を全面自由化して発送電分離をおこなった競争政策の意味は完全に消失して 元の木阿弥 になるだけのようにも見える ところがEEXは国際市場であるから 元の木阿弥 ではすまない ドイツ国内の事業者により投げ売りされる再生可能エネルギーと火力発電の余剰電力を 欧州諸国がEEXで安く買い叩く構図になるから こうして発生する国際収支上の損失まで ドイツ国民が負担することになる可能性がある Die Welt紙の 欧州域内電力市場でのドイツの電力供給の忍び寄る国有化は劇的な結果になる 中略 ドイツの電力輸出はエネルギー転換の発表後の一年間に4倍となったが 国民経済的なメリットは伴っていない との指摘もうなづける もっともこれはドイツが周辺諸国の電力システムをあたかも 巨大な蓄電池 として活用しながら 自国内の再生可能エネルギーを増やしてきたツケとも言えるのかもしれないが 2001年に発生した米国カリフォルニア州の電力危機では 市場設計の欠陥が民間電力会社の経営を半年という短期間で破綻させるに至った ドイツの電気事業もこのまま補助金漬けの電源のウェイトが拡大していくならば およそ民間事業とは言えない代物に変貌してしまうのではないか 送電事業は国営化へ 再生可能エネルギーを増加させていくためには 送配電系統の強化も欠かせない ドイツの送配電系統が抱える課題については稿を改めて詳説するが 現状では必要な送電設備投資が順調に進んでいるとは言いがたい ドイツでは主要なTSO4社のうち2社が オランダやベルギーの国営TSO TenneTおよびElia が出資する子会社となっているが これらの国では国費を投じてドイツ国内の送電線を建設することは 有権者への説明がつきにくいという このためドイツ連邦政府は TSOの新規設備に対する事業報酬率を引き上げたり 費用発生時点で早期の投資回収を認めたりするなど 投資促進策を講じようとしているが 将来的にはドイツ連邦営のドイツTSO設立というオプションも検討の俎上に上がっているといわれる ドイツで今起こっていることは 電力自由化政策と再生可能エネルギー促進政策という 本来矛盾しているものを無理矢理両立させようとした帰結として 再生可能エネルギーだけでなく在来式の火力発電から送配電系統に至るまでの電力システムのすべてが 国の助成措置なしでは成り立たなくなってしまうという事態だ もちろん その国の助成は税金だから 最後は国民がつけを払うことになる Die Welt紙は すでに手に負えなくなりつつあるエネルギー転換の結末に対して メルケル連立政権は責任を負う と結んでいるが FITによる再生可能エネルギー導入拡大に加えて 電力市場の全面自由化 発送電分離をこれから始めようとする日本が そこから何も学ばないとすれば 過失責任どころでは済まされないだろう 参考文献 Die Welt Energieversorgung wird schleichend verstaatlicht 記事 エネルギー供給 段階的国有化へ 2013年1月10日 Die Welt Energiewende wirft den Klimaschutz zurück 記事 エネルギー革命は気候変動を送らせるのか 2013年1月10日 Reuters UPDATE 1 Germany legislates to help prevent power blackouts 記事 停電を避けるドイツの法規制 2012年11月29日 欧州電力取引市場 EEX ホームページ EEX EEX response to the public consultation of the European Commission DG Energy on generation adequacy capacity mechanisms and the internal market in electricity 電力の事業者間取引市場 発電の適正化 容量調整のメカニズムにおけるヨーロッパ委員会への欧州電力取引市場からの回答 2013年2月7日 ドイツ連邦経済技術省プレスリリース Rösler The Federal Economics Ministry has done its homework for the energy reforms 2012年12月 David Buchan The Energiewende Germany s gamble Oxford Institute for Energy Studiesエネルギー改革 ドイツのギャンブル 2012年6月 2013年3月4日掲載 映像資料 映像 電力自由化まであと2ヶ月 電気代は安くなるのか 2016年2月2日放送 出演は竹内純子さん NPO国際環境経済研究所理事 主席研究員 宇佐美典也さん エネルギーコンサルタント 池田信夫さん アゴラ研究所所長 4月から電力の小売りが自由化される そのプラスとマイナスを分析した また池田さん 竹内さんは共に 1月に亡くなった国際環境経済研究所の澤昭裕さんと共に仕事をしてきました 澤さんの追悼と思い出を番組で振り返った 映像 中東の激動で原油はどうなる 2016年1月13日放送 出演は岩瀬昇氏 エネルギーアナリスト 池田信夫氏 アゴラ研究所所長 司会は石井孝明氏 ジャーナリスト 1バレル30ドル割れの原油価格の下落が続く一方で 中東情勢の不透明感が増している 2016年の原油価格はどうなるのかを考えた 映像 原子力報道 メディアの責任を問う

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  • アベノミクスはエネルギーの負担から失敗か — アゴラチャンネル報告 : Global Energy Policy Research
    原発の停止は前代未聞であろう 日本で物事を支配する 空気 が この状況を決めているようだ と石川氏は述べた 原発問題はコストで経済を直撃 安全性を高めるために 事故があれば基準はそれを活かして変更されるものだ しかし遡及適用は 企業に混乱をもたらしかねず 慎重であるべきだ そして私の知る限り 活断層で原発事故が起こった例は世界にない また地震で上の構造物が壊れるとは限らない 石川氏 池田氏も 法治国家としても 資本主義国家としても おかしい 権限のない組織である規制委員会が 無意味な穴掘りをして 暴走している と述べた 同委員会は7月発表予定の新安全基準で 活断層を原稿の11 12万年から40万年動かなかった地層と定義し直して 規制を強化する方向だ これを遡及適用すれば すべての原発が廃炉に追い込まれてしまうだろう 原発を止める理由探しに活断層が使われているようだ 池田氏 原発停止による火力発電の燃料費の増加で 2012年度で2兆円 今年度で3兆円 原発停止による燃料費の増加がある さらに電力会社の経営危機によって 電力料金は今後上昇するだろう 民主党政権の行動が滅茶苦茶であるのは仕方がないにしても 自民党政権が何もしないのはおかしい と池田氏は指摘した 自民党は夏の参院選まで 議論を呼びそうな原発問題に沈黙をする意向のようだ ところが それは結局 損になる アベノミクスで経済再生 が 安倍政権の重要な政策課題だ ところが このまま円安が進めば 輸入インフレが起きかね 経済にダメージを与える 今でさえ 3兆円の国富が海外に流失している 石川氏 また7月の参院選前に 夏の電力需給が再び問題になるだろう 社会不安や企業の生産活動の混乱が起こりかねない アベノミクスがエネルギーの面からつまずく可能性がある と 石川氏は指摘する 独立委員会がよいとは限らない なぜ規制委員会は こうしてかたくなになってしまったのか 石川氏によれば 経産省の官僚たちも 呆れているという 政治の介入を受けない独立行政委員会という形は アンタッチャブル になりがちだ 制度論の失敗として興味深い 独立行政委員会が良い制度とは限らない と 池田氏は指摘した 独立性を強めても問題のある人を委員に選べば 今の規制委員会のように混乱を引き起こす 米国のNRC 合衆国原子力規制委員会 は 政治的に利用され 米国民主党の反原発派の牙城になってしまった すぐに欧米を真似ようとするが 真似てはいけないものがあるはずだ 日本になじむとは思えない 政治に翻弄されてしまう と石川氏は述べた それではどうすればいいのか 長期には原発をめぐって議論を積み重ねればいい ただし短期では原発を使う事を考えないと 経済上の負担が膨らんで行く この事実をどの立場の人も認識してほしい 政治が 規制委員会への指導 場合によっては人の入れ替えなどの介入も検討するべきだろう と指摘した 原発に賛成でも 反対でも 原発停止と廃炉の場合の負担は国民全体が引き受けることになる 負担は経済と生活の足を引っ張る 今世界で大増産が起こっているシェールガスが日本に輸入されるには時間がかかる 再生可能エネルギーは 今の時点では原発の代替にはならない この現実を認めて原発の未来を考えなくてはならない と石川氏は述べた 規制委員会の田中俊一委員長は コストを考えない と述べている これを 池田氏はおかしいと批判した 制度 法律等の面から総合的に考えるべきだ もしくは技術的に安全かどうかという職分の範囲で発言するべきだ 一日100億円も余分の燃料費をどぶに捨てる形になっている どう考えてもおかしいと 国民は理解できるはずだ 政治の行動が求められる という 石川氏はまとめた 原発を使って しのぐ という発想が必要ではないか 他の手段があれば 原発を使おうとする人はいない しかし目先は原発を使い 経済への負担を減らさないと アベノミクスによる経済再生 そして社会保障の再建という今の日本の重要な課題が失敗しかねない 2013年2月25日掲載 映像資料 映像 電力自由化まであと2ヶ月 電気代は安くなるのか 2016年2月2日放送 出演は竹内純子さん NPO国際環境経済研究所理事 主席研究員 宇佐美典也さん エネルギーコンサルタント 池田信夫さん アゴラ研究所所長 4月から電力の小売りが自由化される そのプラスとマイナスを分析した また池田さん 竹内さんは共に 1月に亡くなった国際環境経済研究所の澤昭裕さんと共に仕事をしてきました 澤さんの追悼と思い出を番組で振り返った 映像 中東の激動で原油はどうなる 2016年1月13日放送 出演は岩瀬昇氏 エネルギーアナリスト 池田信夫氏 アゴラ研究所所長 司会は石井孝明氏 ジャーナリスト 1バレル30ドル割れの原油価格の下落が続く一方で 中東情勢の不透明感が増している 2016年の原油価格はどうなるのかを考えた 映像 原子力報道 メディアの責任を問う シンポジウム 2015年12月8日開催 静岡県掛川市において 出演は田原総一朗 ジャーナリスト モーリー ロバートソン ジャーナリスト ミュージシャン 松本真由美 東京大学客員准教授 キャスター の各氏が出演 池田信夫アゴラ研究所所長が司会を務めた 原子力をめぐり メディアの情報は 正確なものではなく 混乱を広げた面がある それを メディアにかかわる人が参加し 検証した そして私たち一般市民の情報への向き合い方を考えた 映像 日本のプルトニウムの行方 2015年11月24日放送 出演は鈴木達治郎氏 長崎大学核兵器廃絶研究センター長 教授 池田信夫氏 アゴラ研究所所長 司会は石井孝明氏 ジャーナリスト 核兵器廃絶を求める科学者らの パグウォッシュ会議 が今年11月の5日間 長崎で開かれました 鈴木氏は その事務局長として会議を成功に導きました

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  • 書評・八田達夫「電力システム改革をどう進めるか」— 理論と現実の乖離 : Global Energy Policy Research
    と指摘している 29ページ しかし 発電燃料である石炭のコストは 電力供給のコストの一部に過ぎないから 石炭価格の上昇幅に比較して 家庭用電気料金の上昇幅が小さいのは当然である 日本の数字の相場観にあてはめてみても 石炭火力の燃料費は3 4円 kWhであり 石炭が5割高くなれば 1 5 2円 kWhのコストアップとなる一方 家庭用の電気料金の平均単価は20円 kWh強なので 丁度1割弱に当たる この程度の簡単な計算をするだけでも 自由化の効果とする主張の説得力の弱さは分かる また 電力システムの将来像として 送電線使用の地点料金制を提案している 117ページ以降 これは送電系統に電源や需要が接続する際に 接続に係る限界費用に基づく課金を行うことである この場合の限界費用は 接続することによる送電ロスの増減を金額換算したものとなる つまり 電源については 需要 電源である地域 例えば東北 に接続すれば 送電ロスが増えるので ペナルティとして機能する一方 需要 電源である地域 例えば東京 に接続すれば 送電ロスが減少するので補助金として機能する 需要については 上記の逆であり 東北に新たに建設する工場にとってはペナルティとなるし 東京に立地する工場にとっては 補助金となる 著者は この仕組みを入れることで 電気の地産地消が進む つまり地域ごとに 電源 需要となるように電源と需要の立地が調整される と述べている それでは このペナルティなり補助金なりがどれほどの額になるか LNG火力の燃料費約8円 kWhを基準に考えれば 送電ロスは約2 程度であるので 16銭 kWh 8円 kWh 2 程度である この下駄を履かせることで 需要 電源である地域への工場立地が進むかというと 大口需要家の送電料金が 既に全国で最大60銭 kWh程度の内々価格差があることを考えると 大きな効果があるとは思えない これは本書に具体的に記載されている 東京の電気料金がすべからく16銭 kWh上昇することから 東京では自家発が今より格段に有利になる 通常では採算に合わない新エネルギーが東京ではペイする可能性が高まる についても同様である 特に 現状でも数十円 kWhの政策補助を講じている再生可能エネルギーが16銭 kWhの下駄でペイすることはあり得ないだろう ただし 再生可能エネルギーへの政策補助に批判的な著者が 皮肉として書いたのであれば良く理解できる 価格が変動すれば 需要と供給に何らか影響が及ぶのは間違いないので 著者の提案が何らか効果があることは確かだ しかし 実際に改革を実行するなら 定量的にどの程度の効果が見込めるか分析し 費用対効果を見極めることが必要だ こうした分析を理論経済学者に求めるのはお門違いかもしれないが そうであるならば 定量的な分析なしに 強力に促進される と言った物言いをするのは 慎重であるべきだ 数字勘のある関係者から見ればリアリティがないという評価になってしまい 著者にとっても不幸ではないか 上記の送電線使用の地点料金制も ある電源や需要の接続に起因する送電ロスを 当該当事者に課金することにより 合理的な費用負担の仕組みを作る という説明の方が 理論家である著者に相応しいし 説得力もあるのではないだろうか 2013年2月25日掲載 映像資料 映像 電力自由化まであと2ヶ月 電気代は安くなるのか 2016年2月2日放送 出演は竹内純子さん NPO国際環境経済研究所理事 主席研究員 宇佐美典也さん エネルギーコンサルタント 池田信夫さん アゴラ研究所所長 4月から電力の小売りが自由化される そのプラスとマイナスを分析した また池田さん 竹内さんは共に 1月に亡くなった国際環境経済研究所の澤昭裕さんと共に仕事をしてきました 澤さんの追悼と思い出を番組で振り返った 映像 中東の激動で原油はどうなる 2016年1月13日放送 出演は岩瀬昇氏 エネルギーアナリスト 池田信夫氏 アゴラ研究所所長 司会は石井孝明氏 ジャーナリスト 1バレル30ドル割れの原油価格の下落が続く一方で 中東情勢の不透明感が増している 2016年の原油価格はどうなるのかを考えた 映像 原子力報道 メディアの責任を問う シンポジウム 2015年12月8日開催 静岡県掛川市において 出演は田原総一朗 ジャーナリスト モーリー ロバートソン ジャーナリスト ミュージシャン 松本真由美 東京大学客員准教授 キャスター の各氏が出演 池田信夫アゴラ研究所所長が司会を務めた 原子力をめぐり メディアの情報は 正確なものではなく 混乱を広げた面がある それを メディアにかかわる人が参加し 検証した そして私たち一般市民の情報への向き合い方を考えた 映像 日本のプルトニウムの行方 2015年11月24日放送 出演は鈴木達治郎氏 長崎大学核兵器廃絶研究センター長 教授 池田信夫氏 アゴラ研究所所長 司会は石井孝明氏 ジャーナリスト 核兵器廃絶を求める科学者らの パグウォッシュ会議 が今年11月の5日間 長崎で開かれました 鈴木氏は その事務局長として会議を成功に導きました また14年まで国の原子力政策を決める原子力委員会の委員長代理でした 日本の原子力の平和利用を考えます 映像 福島は危険なのか 医療現場からの報告 2015年10月27日放送 出演は越智小枝 相馬中央病院内科診療科長 池田信夫 アゴラ研究所所長 司会は石井孝明 ジャーナリスト 越智氏は公衆衛生学の研究者であり 内科医でもある 福島の現状 医療や公衆衛生の問題点を聞いた ポッドキャスト ニコ生アゴラ 2012年の夏 果たして電力は足りるのか

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  • エネルギー源対策、ゼロエミッション補助から炭素税へ : Global Energy Policy Research
    このような企業は 賦課金が減免される分 節電をしなくても済む 減免対象の上位11社のうち7社までを鉄鋼会社が占めている 第2に 補助額なり補助率を一定にするのではなく 価格自体を固定して買い取るために 再生エネルギーの価格が需給の状況を反映しない 風力発電は 羽の向きを変えることによって出力を容易に落とすことができるし 太陽光発電もパネルのスイッチを切ることによって発電出力を落とし 抑制したり一定にしたりすることが可能である しかし 固定価格買い取り制度の下では 全体で電力が余っていても 高い固定価格で売れるから 風力や太陽光発電会社には出力を落とす動機がない このため ドイツでは 風量が多く太陽光が強い時には風力や太陽光発電は出力を上げ続けるため システム全体での発電量が過大になるため スポットの電力価格がマイナスになる事態が何度か起きている すなわち 火力発電の減産に対して金を払い 需要側も 計画値よりも節電すればそれに対して課金されるという状況である この場合 再生エネルギーの出力を落とせば そのような急激な変化を火力発電や大口の需要家に求める必要がないのにも関わらず 大きな変動を求める結果になっている 日本ではまだ発電量が少ないが このような固定価格買い取り制度が増えると ドイツで起きているのと同じような問題が起きるであろう 国内でできる地球温暖化対策の基本は炭素税 以上で見たように 炭素税は ゼロエミッション電源への補助金が持つ上記の非効率性をすべて解消する 適正な炭素税をかければ ゼロエミッション電源への補助金は一切すべきでない こうした補助は全くの無駄である 温暖化対策の根幹は 原発や再生可能エネルギーへの補助金ではなく 国際水準の税率の炭素税を設定することである 炭素税は 石炭や石油の利用を不利にする一方で 石油に比べて炭素排出量の少ない天然ガス 風力発電 原子力発電の利用を優遇するが 優遇の結果 原子力発電を選択するのか あるいは天然ガスへの転換を選択するのかは 経営者の判断にゆだねればよい問題である エネルギー源選択に関する政府の役割は 炭素税の税率を正しく設定することだ 炭素税の下では 経営者に炭素排出削減のためのさまざまな工夫をしようというインセンティブが生まれる 実際にどのエネルギー源を選んで日本全体の炭素排出量の削減に寄与貢献するかは 経営者が決めるべきだ 自社のコスト構造全体を把握している経営者に任せたほうが 国が特定の電源を恣意的に選択して補助するより低いコストでの炭素排出量削減が可能になる これがピグー税の考え方である 注2 にもかかわらず 政治や行政がピグー税を嫌い 特定産業への補助を好む理由については 八田 2012 pp 191 194参照 注3 原発自身も外部不経済効果を発生させる 事故による汚染や使用済み燃料が公害をもたらしうるからだ 原発公害に対してもピグー税が必要である これについては八田 2012 pp 160 174参照 炭素税率 ASEAN主要6ヶ国 インドネシア フィリピン ベトナム シンガポール マレーシア タイ 図1が示すように 日本は既に国際的に見ても炭素排出の対GDP比では優等生の仲間入りをしている 日本は今まで原子力産業への利益誘導という目的もあって 国際的に異常に厳しいCO2の追加削減をコミットしてきた そのような背景に無頓着な鳩山元首相は 1990年比25 削減という無謀な目標を掲げたが この目標は直ちに廃止して 炭素税の税率を国際水準に引き上げる工程表を明らかにすべきである 2012年10月にわが国でも炭素税が初めて導入された この税の税率をこれから引き上げていくべきである 日本で今後炭素税率を引き上げるに当たっては 税率を国際水準に揃えれば十分である 日本だけがヨーロッパ水準以上の炭素排出に税をかけるべき理由はない 図2は各国の炭素排出量1単位当りのエネルギー税率を示している 日本は ほんの少し税率を上げればヨーロッパ水準になる 税収 環境保護団体の多くは 炭素税からの税収を環境改善 たとえば再生エネルギー補助に使おうと主張している しかし 炭素税による税収を環境改善のためにしか使えないことになると 効率が悪い再生エネルギー プロジェクトにも資金が注ぎ込まれてしまう可能性がある それは結局資源の浪費を引き起こす 注4 再生エネルギーの補助に使うのならば 費用より便益のほうが大きいプロジェクトに対象を限定しなければならない そのようなプロジェクトへの補助に必要な金額の総計がピグー税としての炭素税収入と等しくなるはずはない そうであるならば最初から炭素税の税収は 原則に従って 一般財源に繰り入れたうえで 費用より便益のほうが大きい再生エネルギー プロジェクトの補助をするのが自然である ただし 税負担増をきらう産業界に対して炭素税の導入を受け入れさせるためには 炭素税の導入と同時に一律の法人税減税を行って 増減税同額にするという方法もある 注4 たとえば日本では ガソリン税はすべて道路に使わなければならない ということになっているために 道路特定財源 必要のない道路までどんどん建設されている このように 使途を限定した税金は無駄を生むことが多いので できるだけ避けるべきだ 再生エネルギーへの補助に炭素税の使途を限定することもまったく同様の問題を生み出す ガソリン税は 元々は 道路建設の原資を生み出すために作られた税だが 目的を変えて 自動車の排気ガスに対する炭素税である と考えることができる この場合 ガソリン税の目的は 自動車によるCO2排出量を抑制することである その場合も 税収の使い道を 再生エネルギー補助や道路建設に限定する必要はまったくない それを一般財源に組み入れてしまっても 効率性の観点からはまったく問題ない 国外での貢献が基本 途上国では非常に非効率な石炭火力の発電をやっている 世界のCO2の発生のうち日本は3 7 で ほぼ同じGDPの中国は24 である 従って CO2の排出抑制のために一定の金額を使うのならば 日本で使うより燃焼効率が悪い中国等の途上国で技術援助する方が はるかに費用対効果が高い地球温暖化対策になる 言い換えると 国際水準の炭素税以上の貢献をするとすれば 途上国で行うべきである もし日本の地球温暖化対策の本当の目的が 国内特定業界への利益供与ではなく グローバルなCO2の削減にあるのならば 日本で金を使うのではなくて 外国で使うべきである 震災が起きて 原子力発電所が止まった今 日本は より有効な温暖化対策である海外でのCO2削減に 貢献すべきだと思う 現行の国際的な排出権取引にある制約がそれを許さないのならば 日本独自に国際貢献のスキームを提案すべきであろう 八田達夫 経済学者 元政策研究大学院大学学長 近著に 電力システム改革をどう進めるか 日本経済新聞出版社 2013年2月18日掲載 映像資料 映像 電力自由化まであと2ヶ月 電気代は安くなるのか 2016年2月2日放送 出演は竹内純子さん NPO国際環境経済研究所理事 主席研究員 宇佐美典也さん エネルギーコンサルタント 池田信夫さん アゴラ研究所所長 4月から電力の小売りが自由化される そのプラスとマイナスを分析した また池田さん 竹内さんは共に 1月に亡くなった国際環境経済研究所の澤昭裕さんと共に仕事をしてきました

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